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拡がるブックトーク 男性学についての対談

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女性学・男性学 改訂版 — ジェンダー論入門 (有斐閣アルマ)

豊島区とNPO法人WANの主催で開かれた男性学についての公開講座に参加しました。

内容は男性学の大家、伊藤公雄先生の講演と、伊藤先生とフェミ研究の大御所・上野千鶴子先生との対談で、

素晴らしく面白い内容でした。

こんな講座を無料でやって頂けるのは本当に素晴らしいと思いますが、その益を受けている大半はやはり高齢の方ばかりでした。

託児所も設けていて、内容的にも若い人を呼びたかったのではないだろうか、と思うところでしたが、そうした若者がいないところにも、

今回のテーマの根底にある問題が見えてくる気がしました。

 

講演の内容は主に、2011年秋・冬に出された「女も男も」という冊子の”変わる社会・家族と男性”から。

 

1970年代、世界的に女性の労働力率は歴史的に上昇し始めたのにも関わらず、日本の女性労働力率は伸びなかった。

しかし、当時の日本は急速に発展しつつあった時代でもあり、それを支えていたのが男性の長時間労働及び女性の家内労働だった。

そして、90年代以降、そうしたことの歪みが起こりはじめ、男性の過労死・自殺・そして男女の機会不均衡が生まれている。

社会的にも制度的にも変わっていこうとしていく流れはあるものの、なかなか変化に対応していけないこれまでの男性達と、そうした変化をうけてこれから生きていく若者たち。

優越・所有・権力という指向性のなかで社会に適応してきた男性達が変化をどう受け入れるのか、

また若者はどういう選択を行い、旧来的な社会・慣行の未だ残る中でどういった意識のもとで変化の最中を過ごすのか。

そして、社会的に進出した女性たちは、優越・所有・権力の男性社会の中で、「男性化」することなく、社会的に自分自身の成功あるいは幸福を掴めば良いのか。

 

講演から対談に至るまでの概ねの内容はこんなところだったと思います。

 

以下、私自身の雑感です。

昔ながらの雇用慣行が依然と続いていしまっている状況では、やはり高度成長期と変わらない労働環境のなかで長時間労働を強いられる労働者はまだまだ大勢います。

そして、その雇用環境のまま女性が進出したことで、女性も長時間労働を行うようになっていることが、かえって女性自身の生き方を生きづらいものにしてしまっている現状もあると思います。

そうしたなかでの行政的なアプローチでの子育て支援や保育所の確保等は必要な一方で、根本的に男女ともにそもそもの働き方を見直す、あるいは「社会的な成功」をよく言われる「勝ち組、負け組」的なものに見い出さない、という視点は必ず必要なものだと思います。

それと同時に、旧来的な男性的覇権ゲームから脱する選択をした若者が、はたして本当に幸福なのかどうか、を改めて考えると同時に支援していく必要があると思います。

おそらく、今はまだ新卒時に就職戦争を勝ち抜いて、昔ながらのレールに乗っかってゲームのプレイヤーとして生きている方がとてもラクで、「気持ちいい」と思う人が多数でしょう。

「これからはそういう生き方も変わっていくんだから、私も変わっていこう」といって、新たな選択肢を選んだ若者は、ロールモデルの無い中で難しい生き方を迫られているのは事実で、そうした悩みを相談することもできない状況では、結果的に割を食っているようにも思えます。

変化を期待し促していくだけでなくて、そうした変化を支え、また適切に導いていく、といった制度や環境が整っていなければ、人は安易なほうへ流れていてしまう。

いまは、そうした制度や環境の整備、また社会全体の意識の変化が求められているのだと思います。

3・11の震災以降の「日々の暮らしを大切にしたい」と思う、人々の間にあった意識の変化は、そのことに少しだけ寄与している気もしますが、それだけではやっぱり何も変わらないんじゃないだろうか。

すぐに元の意識に戻ってしまわないように、していかなければ。

 

 

最後に、5か月の子ども連れで行ったのですが、会場に皆さんも優しく、授乳スペースも用意してくださったようで、おかげで夫婦そろって最後まで講演を聴くことができました。本当に感謝です。

育児するパパとしては、なるべく思考停止しないように、いろいろ考えながら楽しくやっていきたいと思うので、こうした考えさせてくれる機会は本当にありがたい限りです。

 


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