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LIFE | yuki ota

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しょうぶ学園と高木正勝の「生の芸術」

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もう先々月の話なんですが、淡路島で行われた「ミライの学び舎」主催のミライの音楽祭というイベントに参加してきました。

お目当ては、しょうぶ学園otto&orabu高木正勝さんの演奏です。

予想以上に野性味あふれるイベントでびっくりしましたが、ライブは本当に素晴らしいものでした。

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しょうぶ学園otto&orabuは、知的障害者をはじめ、多くの障害者の利用する施設「しょうぶ学園」の利用者自身とスタッフで構成された音楽ユニットです。
しょうぶ学園では、単に障害のある人のケアをするだけでなく、彼ら自身に活動を求めています。音楽をはじめ、工芸・アートなどのものづくりを通して、自立支援・地域との関係構築・社会への発信を行っています。鹿児島にあるその施設内では、さまざまな創作活動を可能にしたり、工房・レストランなども併設されていて、全国的にも注目を集めています。

以前から、こうした障がい者施設での創作活動の場はあり、今では広くアール・ブリュット(生の芸術)としてアートの世界では認知されています。

アール・ブリュットは”正規の芸術教育を受けていない人による、技巧や流行に囚われない自由で無垢な表現、また作家の心のあり方に本質を置き、魂の叫びや無意識から生まれる多種多様な表現”と解釈されています。
実際に、生の演奏を初めて聴くことができ、とても心を揺さぶられました。

奇妙な「ズレ」のある不安定な音の重なり、そしてその自由な音の発生を一つの作品としてまとめ、リードする旋律。一つ一つの音の要素が一体となった演奏はとても心に響く、力強い生命力を感じさせるものでした。

彼らの描き出すもの、作りだす音は、一般的に見れば下手くそな音で、メロディもバラバラ、ヴァイオリンはギィーと不穏な音を鳴らし、リズムもずれていく。
でも、とても楽しそうに歌い、音を奏でています。単に彼らが「普通の日常」から逸脱しているから、こうした音が出せる、というのではなく、ただ彼らのやりたいように音を出しているからだと思います。

それは、とても新鮮なものでした。定型のメロディに合わせて歌う・弾くことが当たり前になっている私たちの日常の音楽が、そう思わせているのだと思います。

しょうぶ学園の活動は以前から知っていたけれど、彼らの音の魅力は実際に、体感しないと分からない、と思っていました。
本当に「すごい」と思える体感できる機会を得ることができ、とても満足しています。
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一方、高木正勝さんは、美しいメロディを多彩なアレンジを加えて、豊かな音楽を作り出しています。

それは、自然と心にすーっと入ってくる故郷のような音楽を感じさせます。

狂いのない音の運びは、しょうぶ学園の「ズレ」から生まれる音楽と、全く異なるようで、どこか同じものを感じさせます。繊細なメロディの底にある力強さに大いに揺さぶられる感覚です。

音楽とは何か、を突き詰めて考え形にしてきた才能ある芸術家が奏でる音は、とても自然な旋律で成り立っていますが、そこには、アール・ブリュットのような、心の底にある感情を純粋に表出させたものを感じさせます。

しょうぶ学園のライブの際は、高木さんは僕らと同じ客席に座り、楽しそうに笑顔で彼らの音楽を聴き、ライブ後にアンコールを促していました。

きっと、共感する部分が多く、彼の音楽にとても刺激を与えているのだと思います。

とても良質な音楽を聴くことができ、本当に良かったです。主催者の皆様、ありがとうございます。
アール・ブリュット アート 日本


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