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LIFE | yuki ota

当事者の声を届けるための映画「ミツバチの羽音と地球の回転」

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「ミツバチの羽音と地球の回転」を観ました。

ミツバチ

上関原発の建設予定地とされている祝島での人々の暮らし、反対運動について描かれたドキュメンタリー映画です。

東北での大地震による、原発事故でよりタイムリーな映画になったことと思います。

個人的には地震が起きる前に観ることで、(様々に飛び交う前情報による)フィルターがかからずに観ることができました。

本当かどうかよくわからない根拠で反対、賛成に分かれて議論しているネット上の言説より、その場所に住んでいるひとのライフヒストリーを描いて、
疑問を投げかけているこの作品のほうが、一つのフィールドワークの結果として評価できる、
という意味でとても良い映画だった、というのが第一印象です。

反対運動を行う祝島の人、島で生計を立てて漁業、農業、観光、など少ない資源を利用して、今の暮らしを維持する人、が確かにいて、
そこにはそうした人が住んでいて、自然があって、伝統を守ろうとしている、ことが実際に事実としてあると、分かります。

例えば、twitter上の言説には、当事者がいなさすぎて正直、どうしても空論にしか思えないところがある、と感じています。
あまりにもたくさんの情報が飛び交っていて、何を信じればいいのか分からないし、専門的な説明は難しくて理解できないことも多いです。
(地震前に書いていた感想ですが、地震以後そうした経験は多くの人が感じたことだと思います)

反対する立場の人たちのライフヒストリーを描いていることから、全体的に視点は反対側に当然なるのだけれども、
ただ、そこに住んでいる人たちが何を考えていて、どのように生きていて、これからどう生きていくのか、
これだけたくさんの情報があふれていても、そういったことが分からず、想像力が決定的に欠けてしまう情況がある中で、
こうした一つの視点を提供してくれるのは、とてもありがたいことであると思います。

いま大地震から始まった原発に関する一連の事故により、これまで本映画をはじめ、
一連の鎌仲監督作品が訴えてきた問題が、一部の当事者の関心事(と思われていたこと)から、一転して国全体の問題に変わりました。

今後の確実にこの映画で投げかけているように自然エネルギーによる代替エネルギーへの流れが、生まれてくることとと思います。
そうしたときも議論が当事者の視点の無い、浮ついた議論にならないために、
これまでこの問題に取り組んできた人たちの声、いま暮らしを営んでいる人たちの声、これからの未来を生きていく人たちの声、
そうした声を確実に議論の場に届け、また声に耳を傾ける必要があります。

そのために、こうした映画をはじめとして、伝えていくための技術と手段を持つ人は、確かな自分の足場に立って、
そうした良い仕事を続けてほしい、と思いました。


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